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減感作療法

アレルギーの免疫治療 減感作療法 Q&A:2008年度版

Q減感作療法とは?

A:自分の体にとって、アレルギーの原因となっている物質の抗原成分を抽出した、治療用エキスを、少量より、一般的に、週に1-2回割合で、投与量を増加してゆくことにより、アレルギー反応が起きやすい状態となっている、TH1/TH2サイトカインのアンバランスな状態を改善することにより、アレルギー反応が過剰に起こることを、免疫的に起こりにくい状態へと改善させ、それにより、アレルギーの症状の起こりにくい体質・状態へと変えてゆきます。

(現在、アレルギー疾患に対する、根本的治療といえば、この特異的減感作慮法だけになります。また、将来、新たな免疫療法として、坑IgE抗体、ペプチド療法、経口減感作療法などが、臨床での適応を認可されるため、研究中です。)

Qどのくらいの回数・期間するのですか?

A:一般に、週1-2回の割合で、前腕部に注射し、維持量まで達したら1ヶ月に1回に間隔を延長し維持療法に移行し(スギ花粉症の場合、来シーズンに間に合うよう)、治療を続けます。その後は個人差がありますが、血液検査により免疫反応の状態をチェックしながら、より治療効果をあげるためさらに、治療を継続してゆきます。
このため、治療期間は、少なくとも、まず、維持療法に入れば、毎月1回のペースで、維持が持続・増強されるため、通院回数は減らせますが、少なくとも1‐2年は治療が必要と判断されます。

(注射量・種類について:当クリニック施行)
種類:ハウスダスト・スギ・ブタクサ・カモガヤ
注射量:0.025mlより0.25mlまで6段階で増量
使用エキス濃度:
①ハウスダスト:10万倍・1万倍・1000倍・100倍・10倍
②ブタクサ・カモガヤ:100万・10万倍・1万倍・1000倍
③スギ:0.02U、0.2U、2U、20U、200U(治療用標準エキスに改良:トリイ社)
(例:スギの場合5段階の濃度を、6回ごとの注射量で増加すると、維持量に達するのに、5x6=30回の計算になりますが、維持量に近づくと注射が腫れやすいため投与量を調節します。)

Q注射は何種類することがあるのですか?

A:アレルギーの原因によりますが、多くてハウスダスト.スギ・カモガヤ・ブタクサに対しての4種類です。

Q費用はどのくらいでしょうか? また毎シーズン治療薬を使用するのとどちらが良いのでしょうか?

A:1回の治療費は、保健適応の30%負担で、約400—600円(1種類)から約800-1,000円(3種類)です。また、注射する薬液量により少しずつ異なります。毎シーズンの治療費と、減感作療法を実施した場合の経済的比較をした計算がありますが、減感作を施行することにより治療薬は減量また不要になることを考慮すると、長期的には、減感作療法の方が効果的と分析されています。
この減感作療法は、現在までのアレルギー疾患の治療薬で十分治療効果が得られない場合、対症療法で使用する薬剤を増加してアレルギー反応を押さえ込むのとは違い、免疫が過剰反応を起こしているシステムに抑制をかけ、不利益なアレルギー反応が起こらない状態を誘導するという、対症療法とは基本的に異なる根本的なアレルギーの治療法であるというメカニズムの違いがあります。

Q副作用はありますか?

A:注射が維持量に達するまで通院回数がかかることがありますか、治療エキスが体に及ぼす副作用はありません。しかし、注射の量が増加すると注射部位が腫れることがあります。そのため投与量を、注射の腫れ(発赤)が、注射約15分後(即時相)で、直径20mmを目安に、また約6-8時間後(遅発相)の腫れ(腫脹)の状態を観察し、注射量を調節します。

Q妊娠・授乳中は出来るのでしょうか?

A:スギ花粉は、通常の生活において体に入ってくる物質です。したがって、これを治療用に精製したエキスの投与量を調整して注射することにより免疫の過剰反応を抑制します。そのため治療薬のような副作用はなく、妊娠、授乳中も継続することが可能です。

Q注射で喘息発作が誘発されたり、アトピー皮膚炎が増悪することはありませんか?

A:注射の反応が強い時、投与量を無理に増加すると喘息が誘発されることはあると言われますが、このようなときは、全身のアレルギー反応が亢進して過敏性が高まっていることにより症状が発現していると判断されます。(私達のアレルギー研究班においては、十分注意して無理な増量はしないため、全身の重篤な過剰な反応は発生しないよう注射の反応を確認したうえで施行しています。)

Q治療効果はどのくらいですか?またどのくらい持続するのですか?

A:維持量まで達すると、治療効果は約70%と判定されています(施設により異なりますが)。
この数値は、ステロイド点鼻薬・抗アレルギー薬の治療効果が、一般的に約70%程度であることを考慮すると、長期間の通院の回数は必要ですか、治療法として取り入れること考慮してよいと判断できます。また治療の途中でも、対症療法で使用する薬剤が減らせるなどの効果もあります。
治療が維持量まで達し、その後注射をやめても、個人の免疫反応により違いはあると言えますが、治療薬の必要のない状態、発症しにくい状態に誘導が可能と判断できます。

Q子供でも出来るのですか?

A:注射は痛みを伴うため、自分で病態の理解が出来、自分で治療を希望した場合に行います。
(そのため、当クリニックでは、小学校に上がってから施行する場合がありますが慎重な判断が必要です。)

Q新しい治療法(経口減感作)その他はいつ実施の予定なのでしょうか?

経口減感作(舌下)は、現在、東京都内数ヶ所の病院で、ボランティの協力下、臨床での治療効果・安全性の確立を目指して研究中です。この治療法は、今後我々アレルギー専門医により臨床で実施してゆくと思われますが、少なくとも数年(早ければ限られたアレルギー専門施設で3.4年後の可能性?もあるかも知れませんが、詳細は不明)はかかると判断しています。

(追加項目)今後の花粉症治療について

Q今後の新しい治療法について(現在アレルギー研究班でこれらに協力しています。)

  1. 経口減感作(舌下)は臨床適応の判定をしていますが、一般には数年はかかると思われます。
  2. 花粉症緩和米は、治療用薬品として安全性、効果判定をする必要があるため、
    少なくとも数年以上かかる状況で未定です。
  3. ペプチド療法も臨床適応のための判定をしていますが、正確には未定と思われます。
  4. 抗IgE抗体は、日本で難治性の喘息で認可していますが、花粉症では未定です。

 

(このようにアレルギーの治療は近年さらに進化して、もう少しで新しい局面に届くと言えます。)

 

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