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アレルギー一般

アレルギー疾患 生活指導①

アレルギー疾患は、主に空気中に浮遊しているハウスダストや花粉、カビなどを吸入することにより発症します。そこで症状を起こさないためには、これらの原因物質を体内に侵入させないことが大切です。このアレルギーの原因物質(アレルゲン)となる物質は、発生する時期、空気中に浮遊する量や時間も環境条件によって異なります。したがってそれを避けるための対策も、原因となるアレルゲンの種類により異なります。

ハウスダスト(ダニ)がアレルゲンの場合

  • ハウスダストの中でアレルギーの原因となっている物は、大部分がチリダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)です。
  • チリダニは、高温多湿(温度20-30℃、湿度60-80%)の状態で繁殖しやすく、人間のフケ・垢、食品くず、カビなどを餌として繁殖し、その排泄物(フン)、唾液、死骸の飛び散った物が空気中に散乱し、これが様々なアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎など)を引き起こしています。

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  1. 掃除
    家の中のダニ抗原をへらすためには、『掃除機はゆっくりかけ1畳(1.8㎡)あたり30秒以上かけ週2回以上が望ましい』となっています。
    (参考:鼻アレルギーの診療ガイドライン2009)また、拭き掃除、押入れ、収納家具の中などの掃除も大切です。
  2. カーペット
    ダニが繁殖しやすい場所ですので出来ればしかないことが望ましいのですが、掃除を丁寧にかける、家具やベッドの下なども定期的なそうじを心がけて下さい。
  3. タタミ
    畳も年月がたつとダニが多く増えやすい場所です。掃除を定期的にする、拭き掃除をすることが大切です。選択する時、中身・表面がプラスチック素材の物を選択することも有効です。
  4. 寝具(布団・ベッド・マットなど)
    寝具は非常にダニが繁殖しやすい場所であり、また多くの時間をすごす場所です。布団を天日で干しても表面のダニが中に移動するだけで中のダニの量は減りません。ダニを熱で死亡させるには、50℃で20分以上の時間が必要といわれています。叩いてもほとんど効果はありません。布団用の掃除機をかける(布団用ローラーなど)と効果があります。材質としては、羽毛は動物性タンパクなためダニが繁殖しやすく、購入する時はポリエステルなどを選ぶことを考えてください。羽毛は、軽い暖かいなど非常にすぐれた長所を持っていますが、使用するなら防ダニカバーかけると繊維は密になっているためダニの死骸などが通らないので効果的です。マットレスもウレタン等のものはダニがつきにくく近年寝具として性能もすぐれた物が多くあります。
    毛布、タオルケット、シーツなどは洗濯出来る物を選び、定期的に洗濯してください。
    枕も、羽毛はダニがつきやすいためウレタン、ビーズなどの物が推奨されます。また防ダニカバーをかけることが有効です。
  5. ぬいぐるみ
    アレルギーの原因となっていると分かってもなかなか手放せないものです。しかし、いつも大事に抱いて寝ているぬいぐるみには大量のダニ抗原がつきやすいといえます。可能であれば洗う、収納する際はダニをかぶらなようにするなど可能な対策をしてください。
  6. 0_j2_p2カーテン
    購入の際、洗濯できるものも選び、定期的に洗濯する。
  7. ソファー
    布製は次第にダニがつきやすくなります。革、人工皮革を選び、カバーを定期的に洗濯することが大切です。
  8. 空気清浄機
    近年性能が非常に良くなっています。原則は掃除を心がけ、あわせて性能の良い物(ヘパフィルターが付いたものなど)を選んでください。特にフィルターの掃除は定期的にしてください。
  9. 換気
    アルミサッシの住宅が増え、密閉度の高い住宅が増えてから、一年中家の中のダニ抗原の量が増加しています。 結露する場合、湿気がこもる場合には頻回の換気を心がけてください。
  10. 防ダニ剤
    防ダニ用の殺虫剤は薬剤が届いた範囲のダニには効果がありますが、ダニは薬剤の届かない場所に移動してしまい、ほとんど効果は期待できません。また鼻粘膜、気管への刺激性があるためアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー製皮膚炎などのある場合には使用しないほうが望ましく、根本的対策とは考えられません。

アレルギー疾患 生活指導②

花粉の場合

  1. 外出時には花粉用マスク、眼鏡(ゴーグル)、帽子などを使用して花粉の侵入を防ぐ。
  2. 花粉を家に持ち込まないよう衣類についた花粉をはたく。洗顔、洗髪、入浴するなどをして体についた花粉は早めに洗い流す。目薬などで眼に入った花粉を洗い流す。
  3. リアルタイム花粉情報を参考にし、花粉の多い時間帯には窓を開けない。外出を控える。
  4. 衣類は花粉のつきにくい素材のものを選ぶ(ナイロン、ポリエステルなど表面に花粉のつきにくい素材)。
  5. 室内の掃除は、丁寧行い花粉を室内に残さないようにする。

カビ(真菌類)の場合

  1. 定期的に換気をする。結露しやすい場所は特に気をつける。
  2. カビの発生しやすい場所(キッチン、バス、クーラーのフィルタ等)は、防カビ剤などで掃除を心がける。
  3. 室内の植木、屋外の枯れ木や腐った植物などはカビの発生源となるので注意する。

動物の場合

イヌ、ネコ、ハムスター、リスなどを室内で飼うと、動物の表皮の剥離物、唾液、分泌物などがアレルギーの原因になりやすいためアレルギー性疾患のある場合には勧められません。そのため、飼う場合には、掃除、清潔を心がけるなどの注意が必要です。

職業性アレルギーの場合

職業として取り扱うものがアレルゲンとなる場合には、 作業中にはマスク、眼鏡を使用する。換気装置、エアクリーナーなどを取り付ける。作業後は、洗顔、洗髪、うがいを心がける。

 

これらの対策を実行するためには、まず原因物質(アレルゲン)を検査して確定しなければなりません。また、生活環境を調整すればすぐに症状が消失するわけではありませんが、治療と平行して根気強く実行してください。

 

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レルギー疾患 生活指導 ②

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