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ながくらクリニック通信vol55(2014/9/21)

2015年 スギ花粉予報(第1報:2015/9/21)

2014年9月21日、第65回関東耳鼻咽喉科アレルギー懇話会が開催され、気象業務支援センター 村山氏より、来年のスギ・ヒノキ花粉予測が発表されました。
当クリニック(品川区)での飛散状況と今夏の気象条件による分析を加味し、来年の花粉予測を発表します。

【2014年、今春の分析】

今春のスギ花粉飛散量は、度重なる大量の積雪の影響もあり、関東地方で少なめでした。特に、当クリニック(品川区)のスギ花粉飛散数は、1299.3個・シーズンと非常に少ない飛散状況となりました。
気象業務支援センターでの測定でも
①関東南部で、過去10年平均の60-91%、内陸部で17~48%と少な目でした。
②特徴的なことは、ヒノキ花粉の飛散数が非常に多く、例年はスギ花粉数の10~20数%であるのに対し、関東南部では、春に飛散したスギ花粉総量の50%をこえる状況となりました。
このため、ヒノキ花粉の飛散が増える3月中旬から5月中旬頃まで、花粉症状の強い方が多く見受けられました。当クリニックでもヒノキ花粉飛散数は、713.6個(54.9%)と、スギ花粉の飛散量と比較して、極めて多い飛散数となりました。そのため、4月~5月に花粉症状に強い方が多いという特徴のシーズンとなりました。また、皮下免疫療法(SCIT)を受けている方も、ヒノキ花粉の時期に症状が強い方が見受けられました。

2015年のスギ・ヒノキ花粉予報ですが、翌年の花粉飛散量は前年夏の気象条件と樹勢により主に決定されます。(その他、花芽の発育状況、気象状況などが影響します。)

①関東地方の今年7月の日照時間は、平年の119~131%と多く、最高気温も例年より1℃高く、降水量は53~114%でした。
②その他、花粉をつける量に影響する因子として樹勢があります。2014年の春の花粉量が少なかったため、来年には多くのスギの枝に花粉が付くため、来年のスギ花粉飛散量は多くなると予測されます。

【花粉数の予測】

南関東で、例年平均の4,000個を超える約5,000個から6,000個以上。郊外、山沿いでは、10,000~20,000個(シーズン・ダーラム法)

【飛散開始】

ほぼ平年並みの2月中旬。また飛散総数が多いため、飛散開始より短期間で本格飛散になりやすいなど、
来年は、スギ・ヒノキ花粉の症状が強くなりやすい
シーズンになると予測されます。

【皮下免疫療法(SCIT)を受けている方へ】

①2014年の都内の花粉は少なめでした。そのため、皮下免疫療法(SCIT)を受けている方の多くは、治療薬が必要としなかったり、治ったと思い、免疫治療を中断した方も多くいると思います。
 来年は、例年をこえる花粉飛散が予測されています。
皮下免疫療法(SCIT)の継続年数の少ない方は、免疫治療は、少なくとも3年以上の維持療法が望まれると判断されています。是非、治療を再開、あるいは継続することを薦めます。

【シダトレンの治療を開始する方へ】

免疫治療は治療に期間がかかります。来年に効果がでるためには、10月から11月には、治療を開始し、その後、根気よく、維持療法を実施して下さい。
(以上)

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