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ながくらクリニック通信vol40 (2011/10/25)

【2012年スギ花粉予報】

来年のスギ花粉飛散量は今年より減少するもの、例年平均を上回り決して侮れない!

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2012年のスギ・ヒノキ花粉飛散予報を発表いたします。

スギ花粉の飛散量は、前年の夏の気象条件(最高気温と全天日射量)によりほぼ決定します。その他に影響する要因は、春の気象条件、スギの木の勢いなどがあります。
2011年夏は、梅雨明けが早く7月上旬より気温が上がり、その後、集中豪雨、気温の低下する日がありましたが、一夏を通じると最高気温、日射量も減少したもの、昨年に比較して非常に少ないわけでありません。
東京、高尾の8月の花芽調査で、例年より発育が良いとの情報もあります。
大量飛散年(1995年と2005年)の翌年は、激減するパターンが、ここ20年近く続きました(グラフ参照)。しかし、来年はこの激減するパターンがあてははまりません。今年の夏の気象条件が、これまでと異なったためと思われます。
大量飛散の翌年に木の勢いが弱まる現象は、花粉量を減らす要素となります。
しかし、現時点での花芽調査では発育は比較的良く、例年のスギの雄花と同じくらい、またはそれをこえる位の成長をしているとの分析結果です。
最近10年のスギ花粉飛散総数の平均値が都内(品川区)で、約4,200個と、例年値が、4,000個を超えること、これまでの雄花の成長の状態も考慮すると、現在の時点では、2012年度は、都内で4,100~4,600個の花粉飛散と予測しています。
今後の気象条件も、秋から冬にかけて、また年明けからの気象条件も、ほぼ平年通りと予想されています。飛散開始日も例年と同じ2月上旬を予想されます。
(参考WEB:日本気象協会 http://tenki.jp/long/
2011年10月に、ウェザーニューズより、『来年のスギ花粉飛散が、全国的に今年より7割減少の見込み』と発表されました。
(参考WEB:http://weathernews.com/ja/nc/press/2011/111011.html
今後、実際のデータにより正確な予測が発表されます。

(まとめ)
 来年のスギ花粉飛散量は、観測史上2番目に花粉の多かった2011年スギ・ヒノキ総飛散数は11,550.6個(品川区)と比較すると、大幅に減少すると予想されますが、最近10年の平均値の4,200個を超える花粉数と予想されています。
 花粉数と症状の関係を見ると、花粉症の方にとっては、来年は4,000個をこえるシーズンと予想され、十分注意の必要な年、『花粉数はへるもの決して侮れないシーズン』と判断する必要があると言えます。
 今後、毎年、年末から年明けに、東京都花粉情報、環境省花粉観測システムなどより実際の着花量にもとづきより正確な予測が発表されます。より、正確な情報を参考にして、2012年のスギ・ヒノキ花粉症対策を立てて下さい。

当クリニックで減感作実施中の方へ

2011年は非常に多くのスギ・ヒノキ花粉が飛散し、非常に花粉症症状の強い方が多く見受けられました。その反面、減感作をしている方としていない方との症状の差が大きく認められたという印象を受けました。
 スギ花粉に対する免疫療法とは 、スギ抗原を増量しながら体内に取り込むことによりスギ花粉に対する過敏性を抑制していく治療法です。治療に期間、回数がかることなど、今後改良すべき点が多くありますが、他の対症療法とは異なり最も根本的な治療法です。
 1998年発表されたWHOの見解書の中でも『喘息・アレルギー性鼻炎に対し、根治が望める、また修飾できる唯一の治療手段』と位置づけられています。
 治療を開始して間もなくは、効果の出にくい面もあるようですが、1年目よりは2年目以上の継続により、治療効果はより強くなると考えられます。今後、舌下免疫慮法(SLIT)に移行してゆこうとしてゆく時期にさしかかっていると言えます。スギ花粉症は日本に固有と言ってよい花粉症です、その治療は日本で、開発・研究してゆかなければなりません。舌下免疫慮法(SLIT)は実施が、2014年という目安もでてきました。当クリニックで現在、皮下減感作療法(SCIT)実施中の方は、今後、移行してゆくことが可能と考えられています。
 来年度、スギ花粉が減少することは確実ですが、4,000個をこえる花粉数が飛散すると考えて良い事を考え、維持期間に入っている方も定期的な治療を、また、増量中の方も、シーズン前になるべく維持量に近い量まで進めることを目標として下さい。

◆トピック◆
スギ花粉と放射能(セシウム)について

10月21日、林野庁が福島県内のスギ花粉に含まれる放射能の量を測定することを発表しました(参考WEB:http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111020-OYT1T01323.htm)。
 スギの木にどれだけの量の放射能がついているのか?夏に成長した雄花についた花粉に、どれだけの放射能が含まれるかは、現在、報告されていないと思われます。新茶、シイタケ、hot spotなど共に心配な問題と言えます。スギ花粉は、約200km以上の距離を飛ぶことが確認されています。来年飛散してくる花粉に、それほど多くの放射能は含まれないと予測されますが、今後、林野庁、環境庁などより早急に調査が進められ、一日でも早く、不安が取り除かれることを望んでいます。

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