メニュー

ながくらクリニック通信vol33(2010/10/6)

2011年スギ・ヒノキ花粉飛散予報
(2010年9月9日発表・10月6日訂正)


【今年度の分析】

2010年度はスギ花粉飛散数の非常に少ない年となり、例年平均の約4,00_33_p100個を大きく下回る、1,489.5個の花粉が飛散しました。今年の春は、花粉総数が少ないのに加え、雨が多かったため、連続飛散が少なく、また3月から4月に飛散するヒノキ花粉が、68.2個と非常に少ないため、花粉症症状が4月には急速に軽減する、スギ、ヒノキ花粉症症状の非常に軽い年でした。

【2011年スギ・ヒノキ花粉飛散予報】
①来年度(2011年)の飛散予報ですが、今年の7月、8月の猛暑の影響を受けて、スギ花粉の非常に多い年と予測されます。
関東、東海では、前年の7~8倍と、非常に大量の花粉飛散が予想されています。

 

◆今年の夏は、戦後最高の猛暑と報道され、スギ雄花が7月から8月に形成されることより、過去20年で、これまでに最も多かったH17年(2005年)の10,978..2個飛散した年と同様の、非常に飛散数の多い年となると予測されます。

 

◆2005年の花粉飛散と言うと、5年前(6シーズン前)の花粉飛散にあたり、非常に花粉量の多く、症状も非常に強かった年に当たります。花粉症の方にとって過去20数年間で、最も症状の強かった年と記憶されている方が多いと思います。
 またこのような年には、スギ花粉に対する抗体値が、季節後には、季節前の数倍に増加し(これまでの経験では、3倍から5倍のこともあると思われます。)この影響を受けて、花粉の多かったシーズンの後には、抗体量の増加により、花粉症症状強くなりやすい傾向があります。また、大量飛散の年に、花粉症が初めて発症することも多いと言えます。

 

2011年花粉症対策


◆花粉症の方にとっては、症状が強く、期間も長い年となると思われます。早期より抗アレルギー薬、点鼻薬などによる、予防的治療をすること、慈恵医大花粉症HP、当クリニック花粉情報スギ花粉や、リアルタイムモニター(東京都の花粉予報、環境庁花粉予報システム『はなこさん』)などを参考しに、大量の花粉暴露を避けるなどの対策を実行することが非常に大切と言えます。

花粉症に対する免疫治療(減感作療法)をする方は、来年の花粉シーズンまでに免疫的に効果を出すためには、なるべく早く治療を開始しないと十分効果が出ない恐れがあります。免疫療法は、自分のアレルギーに対する過敏性を、免疫的に抑制をかけ、アレルギー症状を軽くするものです。なるべく早期にクリニックを受診し、治療を始めることが望ましいと言えます。

毎年、スギ花粉症に対する予防的治療を実施する方は、来年は、1月20日ごろまでには、予防薬の治療をすることをお勧めします。

◆正確な予報は、今後、雄花の着花量の測定、来春の気象条件を分析して、より正確な予報が、年末および年明けに発表されます。

②実際の雄花の生育も、今年は例年に比べ発育が良く、来年の多くの飛散を裏付ける状況が報告されています。
【参考】
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2010/09/40k93100.htm

2010年10月5日には、来年の花粉予報が、例年この時期の発表は行われることは、まずないのですが、来年度の花粉の大量飛散を予期して、花粉情報が発表されました。(この発表をもとに、当HP の来春にスギ花粉予測を修正しました。)

 

花粉症つらくなりそう 来春、気象会社が予測
(2010年10月6日 提供:共同通信社)
 気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は6日までに、来春のスギとヒノキ(北海道はシラカバ)の花粉飛散量予測を発表した。全国平均で今年の5倍、近畿だと10倍、関東は7~8倍とみている。シラカバ花粉は今年と同等か多くなる見込み。

 今夏の記録的猛暑と日照時間の長さから、雄花生産量が多くなるとみられるという。同社は「花粉症は無関係と思っていた人も来春は油断できなくなりそう。早めの対策を」と呼び掛けている。

 今春と比べた各地域の予測は以下の通り。

 北海道1~2倍▽東北北部5~6倍▽東北南部2~3倍

▽関東、甲信、北陸、東海7~8倍▽近畿10倍▽山陰2~3倍▽山陽5~6倍▽四国6~7倍▽九州2倍。

 

1.◆◆◆東京都2010.9月発表◆◆◆によると・・・、

平成22年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)検討結果
●来春の花粉飛散予報について
 今年の夏の気象が花芽の成長に適した条件(注釈3)であったことから、来春の飛散花粉数は前年及び例年と比べてかなり多くなることが予想される。
 事前の対策として、花粉の飛散が開始する前に医療機関を受診する等、予防的な対策をすることを推奨する。
 11月から12月にかけての花芽調査結果等を基に、来年1月に予定されている平成22年度東京都花粉症対策検討委員会(第2回)で予報については検討する予定。
(注釈3)日照時間が多く気温が高いと、花芽がよく成長し翌年の花粉数が多くなります。

2.NPO花粉協会による分析

今年夏の花粉の生育状況を見ても、雄花の発育は非常によく、来春は、大量のスギ花粉飛散が予想されます。
【参考】
http://pollen-net.com/
2011年のスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況の予想
http://pollen-net.com/latest_info/latestinfo_003.html

現時点で来年度は、スギ花粉の非常に多い年となると予測されます。
当クリニックにてスギ花粉症に対する減感作療法を施行している方も、今年のスギ花粉症状が、非常に軽かった方が大半と思いますが、治療を中断している方、間隔が長くあいている方も、現状分析を参考に、来年に向けて治療をより確実にしていただければと思っております。
また、今後、来年のスギ花粉症に対して減感作を開始する方は、現段階より、来年の花粉飛散開始

◆スギ花粉に対する舌下減作旅法(治験)が、2010年9月より施行されています。
治験の臨床第3相という段階に来ており、これまでに。東京都の発表にあるように、
舌下による治療の安全性、効果がほぼ確認できた段階といえます。
【参考】
【東京都花粉情報】
●報道に対する発表
花粉症患者が利用しやすい治療法(舌下減感作療法)の研究結果を公表しました。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/10/60jaq400.htm
●【報告書】
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/kafun/torikumi/SLIT_houkoku.pdf

当クリニックでも、現在、舌下減感作(治験)を実施中です!

9月より準備開始、10月より舌下減感作開始(10月20日締切・20名)!
(詳しくは、クリニックまでお問い合わせ下さい。)

◆スギ舌下減感療法は、一般治療としての開始時期は、今後、舌下の治療薬が認可される必要があるため、数年かかる状況ですが、欧米において、近年、経口によるアレルゲン免疫療法が、小児より大人を対象に、急速に進歩・改善しているため、世界的な状況からも、 我が国においても、近い将来実施が可能になると判断しています。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME