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ながくらクリニック通信vol30-②-7(2009/1/4)

2010年スギ花粉症予報・対策Q&A②-7

⑦減感作療法Q&A Ⅱ

Q29 副作用はありますか?
注射が維持量に達するまで通院回数がかかることがありますか、治療エキスが体に及ぼす副作用はありません。しかし、注射の量が増加すると、注射部位が腫れることがあるため、投与量を
注射の腫れが直径20mmを目安に調節します。

Q30 妊娠・授乳中は出来るのでしょうか?
スギ花粉は、通常の生活において体に入ってくる物質です。したがって、これを治療用に精製したエキスの投与量を調整して注射することにより、免疫の過剰反応を抑制します。そのため治療薬のような副作用はなく、妊娠、授乳中も継続することが可能です。

Q31 注射で喘息発作が誘発されたり、アトピー皮膚炎が増悪することはありませんか?
注射の反応が強い時、投与量を無理に増加すると喘息が誘発されることはあると言われますが、
このようなときは、全身のアレルギー反応が亢進して過敏性が高まっていることにより症状が発現していると判断されます。 (当クリニックにおいては、十分注意して無理な増量はせず、全身の重篤な過剰な反応は発生しないよう注射の反応をよく確認したうえで施行しています。)

Q32 治療効果はどのくらいですか?またどのくらい持続するのですか?
維持量まで達すると、治療効果は約70%と判定されています(施設により異なりますが)。
この数値は、ステロイド点鼻薬・抗アレルギー薬の治療効果が、一般的に約70%程度であることを考慮すると、長期間の通院の回数は必要ですか、治療法として取り入れること考慮してよいと判断できます。また治療の途中でも、対症療法で使用する薬剤が減らせるなどの効果もあります。
治療が維持量まで達し、その後注射をやめても、個人の免疫反応により違いはあると言えますが、治療薬の必要のない状態、発症しない状態に誘導が可能と判断できます。

Q33 子供でも出来るのですか?
注射は痛みを伴うため、自分で病態の理解が出来、自分で治療を希望した場合に行います。
(そのため、当クリニックでは、小学校に上がってから施行する場合がありますが、慎重な判断が必要です。)

Q34 新しい治療法(経口減感作)その他はいつ実施の予定なのでしょうか?
経口減感作(舌下)は、東京都がボランティの協力下、2006年-2009年まで臨床での治療効果・安全性の試験が行われました。その結果約70%に治療効果があると判断されました。
今後、治療用エキスの認可の問題、すなわち経口投与においては、皮下注射による減感作より治療用エキスがおおよそ10-100倍以上多く必要なため、現在、経口投与の認められていない注射用エキスが、治療薬として使用する際、安全性、有効性、生産が可能か、重篤な副作用がないか?治療の対象者の選択など、多くの問題を解決しなければ臨床での治療法として実施は難しいと思えます。
(参考WEB:東京都・スギ花粉症の舌下減感作療法の臨床研究報告書:
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho/kafun/torikumi/SLIT_houkoku.pdf

(追加項目)

Q35 今後の新しい治療法について
①経口減感作(舌下)は臨床試験の結果が出て臨床適応の判定をしていますが、一般には数年はかかると思われます。
②花粉症緩和米は、遺伝子組み換え食品にあたることより、今後、治療用薬として安全性、効果判定をすることが必要なためプロジェクト推進が困難な状態です。
③ペプチド療法も臨床適応の判定をしていますが、将来は未定です。         
④抗IgE抗体(オマリズマブ:Omalizumab、「ゾレア」)は、日本で難治性の喘息で認可が決定しており、花粉症では効果は確認されていますが適応は未定です。
(このようにアレルギーの治療は近年さらに進化して、もう少しで新しい局面に届くと言えます。)

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