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ながくらクリニック通信vol20(2008/7 /30)

ジャパンマスターズ大会救護班の報告
 ジャパンマスターズ大会が辰巳国際水泳場にて、7月18-21日まで開催され、18歳から99歳まで、過去最高6875人が参加しました。梅雨明けの猛暑の中、熱戦の続く中、年齢別に世界記録が相次いで出る大会となりました。

 以前、水泳部の人・スイミングを楽しんでゆくうち大会に毎回参加される方など、それぞれの思いをもって参加している1年間の集大成のような大会です。
日本水泳ドクター会議(日本水泳連盟のメディカルのサポートをするドクターの集まりです。オリンピック・全日本の大会のサポート・ドーピングなどを仕事としています。)のメンバーとして、救護班のお手伝いに行ってきました。

 救護室での仕事は、ホームグラウンドとは異なるプールで泳ぐことの影響下、プールサイド・スタート台・サブプールでのアップの際に怪我をする方が多く、体調不全を訴え医務室に来られ、血圧がいつもより高いことに気づかれ、次のレースを中止する方など、無理をしない勇気を持った決断をされる方もあり、アスリートとして、自己の健康管理を的確に把握していただいていることは、正しい判断であり、辞める勇気を持つ決断には頭が下がる思いでした。

 実は、この大会は、99歳までの方が、医師の診断書なしに自己申告で参加されるため、残念ながら、現在までに2名の死亡事故が起きております(その他、ウーマンズ・フェスティバルで1名)。1名の方は、ゴール直後、大動脈瘤破裂による死亡、その他には、不整脈発作により、シャワールームで意識喪失・心停止で発見された方がいます。このため、ライフガードが常に、プールサイドで選手に寄り添っての救助体制でバックアップし救護にあたる・また、水泳連盟・水泳ドクター会議のドクターも、外科・内科・看護師のスタッフをそろえ、万全を期して援助しています。

 この大会での経緯を見て感じることは、選手のコンディショニングが良くなっていることです。ジムトレーニング・プールワーク・サプリメントなどの知識・応用がより科学的に進歩していること、また、60台をすぎてから、練習時間・内容の充実・過去の選手層が、年齢の上がったクラスに出場することなどにより、世界記録のラッシュの連出も素晴らしいことです。また、物事に打ち込んでいる人たちの、生き生きとした表情・試合後の達成感が伝わってくることは素晴らしいことだと思いました。

 ただ、多くの事故は、無理のしすぎが最大の原因となっているようです。
【昔取った杵柄】と言いますが、自分の現在のコンディションをよく把握することが
やはり大切です、そうすれば、スイミングは、非常に体・心に優しい存在として長く付き合ってゆける存在と感じました。協力スタッフのおかげもあり、今年の大会は無事終了
いたしました。
(以上)

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