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ながくらクリニック通信vol50(2013/10/13)

◆2014年スギ・ヒノキ花粉飛散数予測◆

(第1報:2013年9月作成・品川区・ダーラム法)
(キーワード:2014年スギ花粉予報、舌下免疫療法、スギSLIT、減感作療法、SCIT)

 

◆来年度(2014年)のスギ・ヒノキ花粉飛散数は、今年の夏の気象条件とスギの木の樹勢により分析すると、最近10年の平均花粉数と同程度の飛散、すなわち、都内で約4,100個(ダーラム法)と予測されます。 

この例年平均の約4,100個という花粉数は決して少ない数ではなく、むしろ強い花粉症状を起こすのに十分な花粉数と判断することが出来るため注意を要します。
(この予測値は、9月現在、夏の気象条件と雄花の花芽の発育を分析した予測値であり、今後の気象条件・花芽の発育により飛散直前まで修正されます。)

(分析)
来年度(2014年)のスギ・ヒノキ花粉飛散数は、梅雨明けの早かった2013年夏の猛暑と日射量が非常に多かったため、雄花が太陽エレルギーを受け光合成をすることにより花芽がよく成長する条件を考えると、8,000個を越す可能性があると考えられますが、樹勢を考えると、今年の春スギ花粉を多 つけた枝は翌年花粉が少なくなる影響を受け、関東地方では2013年より花粉数が増えることはないもの、比較的大量の花粉が飛散することが予想されます。都内で約4,100個・シーズン(ダーラム法)と予測されます。

①来年度2014年は、非常に花粉数の多かった2013年(観測史上第3位:スギ6,407.6個・ヒノキ1,265,個)と比較すると花粉数は減少し、約4,100個と予想されます。 
②総飛散数は、最近10年の平均花粉数と同じ約4,100個と予測されます。 
③しかし、この例年平均の約4,100個という飛散数は、決して少ない花粉数ではなく、花粉症の方にとっては十分気をつける必要のある花粉数と言えます。 
④2013年の集中した大量飛散により、年少者の発症も多く見受けました(最少1歳(2シーズン目)、また大量飛散によりスギやヒノキの抗体価の増加が起こっているため、今後さらに花粉症状も強くなりやすい傾向もあるため対策が必要です。

◆スギ花粉症に対し減感作施行中の方へ◆

①2013年は、3月初旬(3月8・9・10日に集中した飛散:都内3日で計3,326.2個・ダーラム)に稀な短期間に大量花粉の連続飛散より、非常に症状の強く出やすいシーズンでした。
この時期に花粉症症状の強かった方も、“減感作の効果を判断するには少なくとも2シーズンの効果を見て下さい。”
②免疫療法は効果が出るのに時間がかり、その効果は持続により強くなります。
今年のような短期に集中した花粉飛散時には、減感作増量中、維持に入って間もない方は、免疫療法だけですべて花粉症症状を抑えることは困難なことにもなることがあります。
根本的には、長期の根本治療に勝る治療はありません。是非、今後の治療をよく分析して下さい。

◆スギ花粉症に対する舌下免疫療法(減感作)SLITの保険適応について◆

スギ舌下免疫療法(SLIT)の発売は2013年が予想されましたが延期されています。
(2013年中にハウスダストに対しての舌下錠の開発が終わる予定であり、近い将来の発売が待たれます。)

①スギ舌下免疫療法(減感作)SLITは、2013年の発売が予想されていましたが、延期となりました。
今後、スギSLITは、まず液剤(drop)として発売され、その後、舌下錠の開発が進んでいることより、近い将来、舌下錠が発売されること予想されます。
②舌下免疫療法(SLIT)は、1990年頃よりヨーロッパを中心に、それまでの皮下減感作(SCIT)に変わる治療法として研究が進み、これまでに注射用治療薬を舌下で使用することで、皮下減感作(SCIT)と同様に治療効果がある事が確認されるようになってきました。欧米では(特にヨーロパ)、数100種の治療薬(ワクチン)が開発され使用されています。
③現在、ヨーロッパにおいては、舌下免疫療法(SLIT)に切り替わっていく状況になってきており、
数多くの液剤(drops)による減感作療法が実施されています。
また、イネ科の花粉症に対し2006年には舌下錠が発売され、さらに、2008年にはイネ科花粉をMIXした舌下錠も発売され世界に広がっていこうとしています。
(経口免疫療法は、現在、ヨーロッパにおいては約50%がSLITとなってきており、また国によってはほぼ大半がSLITとなっています。)
④スギ花粉症は、ほぼ日本に特有な花粉症です。この治療薬は日本で開発しなければなりません。
もう少しで、スギ花粉症に対しSLITが使用できるところまできています。これを突破口に、他のアレルギーに対しても、まずは、ハウスダストに対し舌下錠の発売が予定されるところまで来ています。
(2013年にはヨーロッパで治験が終わり、発売される予定となっています。)
⑤舌下免疫療法(SLIT)は、皮下減感作(SCIT)に変わる新しい治療法ではありますが、今後、研究・適応・治療法が確立されてゆくものと思われます。
◆舌下免疫療法(SLIT)は、12歳以上のアレルギー性鼻炎・喘息(ただし重症の方を除く)を対象に世界で(WHOの指針などにより)進められています。現在日本においては、認定制度による登録医による施行の準備が進行中です。
是非、この治療法については、今後の進展をよく見ていただき、これをご自分のアレルギー治療に取り入れるか、専門医に相談の上、判断していただければと思います。

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