アレルギーの免疫治療6 減感作療法①
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アレルギーの免疫治療6 減感作療法①
Q21 減感作療法とは? |
アレルギーの原因物質を精製した治療用エキスを、濃度の薄いものから濃いものへ増量して皮下注射をしてゆくことにより、過敏性を軽減してゆく治療法です。 原理は、アレルギー疾患の過剰反応が起こりやすいTH2サイトカインの過剰な反応を抑制し、TH1とTh2のバランスを直すこと、遮断抗体という物質が増加することなどにより、免疫システムを変化させ不利益なアレルギー反応が過剰に起こるのを抑制する治療法です。 |
Q22 どのくらいの回数・期間するのですか? |
一般に、週1-2回の割合で、前腕部に注射し、維持量まで達したら1ヶ月に1回に間隔を延長し維持療法に移行し、まず1年を目標に続けます。その後は個人差がありますがより治療効果をあげるためさらに1年実施することを説明しています。 (注射量・種類について:当クリニック施行) 種類:ハウスダスト・スギ・ブタクサ・カモガヤ 注射量:0.025mlより0.25mlまで6段階で増量 使用エキス濃度: ①ハウスダスト:10万倍・1万倍・1000倍・100倍・10倍 ②ブタクサ・カモガヤ:10万倍・1万倍・1000倍 ③スギ:0.02U、0.2U、2U、20U、200U(治療用標準エキスに改良:トリイ社) (例:スギの場合5段階の濃度を、6回ごとの注射量で増加すると、維持量に達するのに、 5x6=30回の計算になりますが、維持量に近づくと注射が腫れやすいため投与量を調節します。) |
Q23 注射は何種類するの? |
アレルギーの原因によりますが、多くてハウスダスト.スギ・カモガヤ・ブタクサに対してです。 |
Q24 費用はどのくらい? また毎シーズン治療薬を使用するのとどちらが良いのでしょうか? |
1回の治療費は、保健適応の30%負担で約300-400円(1種類)から900円(3種類)です。 毎シーズンの治療費と、減感作療法を実施した場合の経済的比較をした計算がありますが、 ①減感作を施行することにより治療薬は減量また不要になることを考慮すると、長期的には、減感作療法の方が効果的と分析されています。 ②この減感作療法は、現在までのアレルギー疾患の治療薬で十分治療効果が得られない場合、対症療法で使用する薬剤を増加してアレルギー反応を押さえ込むのとは違い、免疫が過剰反応を起こしているシステムに抑制をかけ、不利益なアレルギー反応が起こらない状態を誘導するという、対症療法とは基本的に異なる根本的なアレルギーの治療法であるというメカニズムの違いがあります。 |