ながくらクリニック通信vol2(2006/9/20)
急に夏が終わり、10月半ばのような気候になりました。
- このような天候の急激な変化は、アレルギー性鼻炎をもつ方にとっては、症状の出やすい時期であるため、つらい時期とも言えます。
- 何故かというと、梅雨の時期から続いた高温多湿な気候は、ハウスダストの原因であるチリダニの発育に適した条件であるため、チリダニの増加を促し、その結果、この秋口には、繁殖していたダニの死骸・排泄物などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が空気中に散乱している量も増加しています。
- それに加え、急激な最高・最低気温の低下は、鼻粘膜の敏感なアレルギーの人にとっては、症状が強くなりやすいため注意を要する時期といえます。
- それでは、どのように対処することが可能でしょうか?
鼻症状が急激に増加している方は、診療所で診察を受け、抗アレルギー薬・点鼻薬などを使用することが、最も、確実かつ迅速な対処法となります。
しかし、すべてを、薬で押さえ込むのではなく生活環境をととのえる、すなわち、昔から、お彼岸の頃は衣替えと言われたように、また秋物の衣類を出す際には、収納の際ホコリをかぶっていたものは、洗濯してから着る、また掃除を行き届くよう徹底するなどの対策をたて、個人がアレルギーの原因物質に暴露される量を減らすよう注意をすることが必要です。 - 喘息もこの時期に発作(アタック)をおこしやすい時期であり、寝具中のダニ抗原の量が2μg/グラム・ハウスダストを超えると、感作を起こしやすい量(世界保健機関(WHO)の基準値)であり、10μg/グラム・ダストを超えると喘息発作を起こしやすい量であることが確認されています。この量は、直接、鼻アレルギーの発作量には当てはまりませんが、暴露される抗原量が増加すれば、発症のリスクが高くなることは、臨床症状を見ても明らかといえます。
- またこの時期には、秋の花粉症の原因である、ブタクサの飛散する時期でもあるため、ハウスダスト以外で、鼻アレルギーの発症が疑われる場合は、医療機関に相談してください。ただ、ブラクサ花粉が症状の原因となっているかを判断するには、まず生活圏内にブタクサが飛散している可能性があるか検討してみてください。
- この時期花粉を測定している箇所は、少ないのですが、参考となるサイトがあります。
(参考WEB)
①花粉症Learninng:9月の花粉飛散(http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/kafun/keikou/current.html)
②相模原病院 花粉研究室(http://www.hosp.go.jp/~sagami/kafun.html#ine_2w)
・(私も、ブタクサの成育しているとこを写そうとデジカメを持って歩いていますが、クリニック近辺ではなかなか見つかりません。)